ねぇパパ、お給料ってどう決まるの? 働くことと生産性のしくみ(第14回)

子育てと家族

こんにちはJINKです。

「親子で学ぶ経済シリーズ」も第14回。 今回は、「お給料ってどう決まるの?」という疑問をテーマにして、親子で一緒に学んでいきましょう。

💬 娘のひとことから

ある日、娘が夕ごはんを食べながらふと聞いてきました。

「パパっていつも仕事してるけど、どうやって“お給料”が決まるの?」

「お仕事したらもらえる」ってことはわかっているけど、その“金額”がどう決まるのかは、子どもにとっては不思議なことですよね。

たしかに、大人にとっても「なんでこの給料なんだろう…?」と思う瞬間はあります。

だからこそ今回は、「お給料とはなにか」「なにで差がつくのか」、そして「生産性」や「働く工夫」について一緒に考えてみましょう。


💼 お給料の正体とは?

まず基本のキホンから。

お給料とは、**「働いたことに対して、会社からもらうお金」**のこと。

でも、ただ「会社にいる時間が長ければたくさんもらえる」というわけではありません。

もっとも大事な考え方は、

「自分が生み出した価値」に対して報酬が支払われている ということです。

たとえば…

  • パン屋さん:パンを焼いて売る → お客さんが買ってくれる → お店にお金が入る
  • 工場の作業員:部品を組み立てて完成品に → 商品として出荷される → 利益になる
  • イラストレーター:広告用の絵を描く → 広告で商品が売れる → 企業がもうかる

つまり、働くこと=価値を生むこと。 その価値に見合った金額が「お給料」として支払われているというわけなんです。


📊 生産性ってなに?

ここで登場するキーワードが「生産性(せいさんせい)」です。

生産性とは、「同じ時間・同じ人数で、どれだけの成果を出せるか」 という力。

たとえば…

  • Aさん:1時間で50個のパンを焼く
  • Bさん:1時間で80個のパンを焼いて、さらに売場も整える

この場合、Bさんのほうが“生産性が高い”と評価されます。

たくさん作れる・よく売れる・ムダがない・品質が高い―― そんな仕事をできる人ほど、企業にとって「価値が高い=もっとお給料を払いたい」存在なんです。

生産性は「手の速さ」だけじゃありません。

  • 丁寧さや正確さ(品質)
  • 段取り力や時間の使い方(効率)
  • チームワーク力
  • 売上や利益への貢献

これらを含めた「働く全体のパフォーマンス」を指すんですね。


👷 お給料の差はなぜ生まれる?

「がんばって働いているのに、なぜお給料に差が出るの?」 そんな疑問が湧いてきますよね。

それには、いくつかの理由があります。

要素内容
経験・スキル長年働いている人はノウハウがあり、仕事の質も高いと評価されやすい
業種・職種医療・IT・金融など専門性が高い職業はお給料も高い傾向
地域差地方よりも都市部のほうが生活コストも高いため、給料も高くなる傾向あり
会社の利益利益が出ている企業は社員に高い給料を出せる
役職・責任管理職など意思決定や責任を伴うポジションには報酬が上乗せされる

✅ 大事なのは「価値 × 貢献度」

がんばっているのに上がらない…と感じるときは、

  • 自分がどれだけ会社の成果につながっているか?
  • どうすればもっと貢献できるか? という視点で考えると、改善のヒントが見えてきます。

🍩 たとえ話で考えてみよう

近所のドーナツ屋さんでバイトしている、2人の高校生がいたとします。

Aくん:

  • 毎日遅刻せず働いている
  • 手順通りに仕事をして、1時間で30個のドーナツを作る

Bさん:

  • 明るくお客さんに声をかける
  • 1時間で50個を作る
  • 売れ筋商品のポップや陳列も工夫している

→ 店長が「Bさんにもっと時給を出したい」と思うのは当然ですよね。

これは単なる「作業量」ではなく、

  • 売上を増やす工夫
  • お客さんに喜ばれる対応
  • 店の雰囲気を良くする貢献 など、トータルで価値を生み出しているからです。

🧠 パパママ向け補足:賃金と生産性の関係

経済全体の話を少しだけ。

日本は「労働時間が長いのに、生産性が低い」と言われることがあります。 これはつまり、**「長く働いているけど、思ったほど成果が出ていない」**ということ。

  • 無駄な会議や報告書
  • 業務の属人化(特定の人しかわからない)
  • ITや自動化の遅れ などがその原因に挙げられます。

企業も個人も、効率的に価値を生み出せる仕組みを持っているかが重要。

そして、

  • 資格を取る
  • 新しい技術を学ぶ
  • 働き方を改善する などの努力が、「高い生産性=高いお給料」に結びついていくのです。

👪 子どもにどう伝える?

「お給料ってね、“どれだけ人の役に立てたか”のありがとうなんだよ」

「がんばってるだけじゃなくて、どれだけ工夫して、役に立ったかで決まるんだ」

「だから、仕事が速いだけじゃなくて、まわりの人と協力したり、お客さんが喜ぶことを考えたりすることが大事なんだよ」


📚 まとめ

  • お給料は、働いた「価値」に対するありがとうの気持ち
  • 生産性が高い人=価値をたくさん生み出す人には、より高い報酬が支払われやすい
  • お給料の差は、経験・スキル・職種・地域・会社の業績など様々な要因で生まれる
  • 工夫や努力は、未来のお給料を変えるチャンスになる

がんばることはもちろん大切。 でも、**「がんばり方」や「働き方の工夫」**を意識することで、未来はもっと明るくなります。

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