ねぇパパ、お店って安く売っても損しないの?  バーゲンと利益のひみつ(第13回)

子育てと家族

こんにちは、JINKです。

「親子で学ぶ経済シリーズ」も第13回。 今回は、買い物でよく目にする「バーゲン」や「セール」について、親子で一緒に考えてみましょう。

🛍 安くてうれしいけど…大丈夫?

ある日、娘がこんなことを言いました。

「この前ほしかったゲームが半額だったんだ!すごくうれしかったけど…あんなに安くして、お店って損しないのかな?」

おおっ、これは大人でも気になるところですね。 今回は、この「安売り」と「もうけ」の関係を、わかりやすく解き明かしていきます!

💰 利益ってなに?

まずは基本から。 お店が“もうかる”ってどういうことか、考えてみましょう。

利益(りえき)= 売上(うりあげ) − 費用(ひよう)

たとえば:

  • 商品1個を1000円で売った
  • 作るのに700円かかった → 利益は300円

この300円が、お店の“もうけ”です。 このお金がなければ、お店は家賃や光熱費、従業員の給料を払うことができません。 つまり、利益はお店が生きていくための大切な“ごはん”みたいなものなんです。

🔻 安く売っても儲かるの?

じゃあ、セールで安く売ったら、利益は減る? たしかに1個あたりはそうかもしれません。 でも、もしたくさん売れたらどうなるでしょう?

  • 定価4000円で10個売る → 売上4万円(1個の利益1000円なら1万円の利益)
  • セール2000円で50個売る → 売上10万円(1個の利益500円でも2万5000円の利益)

「うわ、セールの方が得じゃん!」

そう、これが「薄利多売(はくりたばい)」という考え方。 1つの利益は少なくても、たくさん売ることで全体の利益を増やせるのです。

この考え方は、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど「日常的にたくさん売るお店」でよく使われます。 「安い=損」ではなく、「安い=たくさん売るための作戦」と考えると、ぐっとわかりやすくなりますね。

📦 売れ残りをなくす工夫

バーゲンには「在庫(ざいこ)整理」の役目もあります。

お店の商品は、時間が経つと価値が下がるものがたくさんあります。

  • 夏服は秋になると売れにくい
  • お正月グッズは1月すぎたら価値がなくなる
  • 食品は賞味期限が近づくと売れにくくなる

こういった商品は、「売れ残ると大きな損」になってしまいます。 だからこそ、お店は「今のうちに安くても売ってしまおう」と考えるのです。

これも一つの「損をしない工夫」なんですね。

🎯 お客さんを集める作戦

バーゲンには「集客(しゅうきゃく)」の目的もあります。

「ゲーム機半額!」と書いてあれば、思わず見に行きたくなりますよね?

そして、お店側はこう考えています。 「ついでに他の商品も買ってくれるかもしれない!」

これを「ついで買い(関連購入)」といいます。

バーゲンで来たお客さんが、

  • 飲み物やお菓子もついでに買う
  • 店内を歩いているうちに、別の洋服や文房具を買う

こうして、バーゲン商品で利益が出なくても、他の商品でカバーできる仕組みになっているのです。

🧠 パパママ向け:企業戦略としてのバーゲン

用語内容
薄利多売利益は少なくても大量に売って全体で儲ける戦略
在庫リスク売れ残りによる損失を防ぐ工夫
集客(しゅうきゃく)安売り商品で来店を促し、別の商品も購入してもらう戦術
関連購入安くない商品でも、ついでに一緒に買わせる工夫

子どもにも伝えたいのは、 **「お店はただ安くしているわけじゃなく、いろんな戦略を考えている」**ということ。

🧁 たとえ話でイメージしよう!

近所のドーナツ屋さんで考えてみましょう。

🎯 バーゲン成功のとき:

「今日はドーナツ半額です!」 → お客さんがいっぱい来る! → ついでに飲み物や焼き菓子も買ってくれる → お店はたくさん売れて、結果的にもうかる!

😨 失敗すると…:

「思ったより売れなかった…」 → 安く売ったぶんだけ損に… → お客さんもあまり来ないし、宣伝費も無駄に… → だからこそ、売り方やタイミング、宣伝方法がとても大事なんです。

👧 子どもに伝えるとしたら?

「バーゲンってね、お客さんにとってはお得だけど、 お店にとってもちゃんと“もうける工夫”なんだよ」

「安く売るのはサービスじゃなくて、売るための作戦でもあるんだ」

「お店の人たちは、毎日いろんなことを考えて工夫してるんだね」

📚 まとめ

  • 安く売っても、たくさん売ればもうかることがある(薄利多売)
  • バーゲンは売れ残りを防ぐための工夫(在庫整理)
  • お客さんを集めて、別の商品も買ってもらう作戦(集客と関連購入)
  • お店は利益を出すために、いろんな方法で考え、工夫している

「安い=損」ではなく、「安い=工夫と戦略」という視点を持てると、 子どもたちの見方も変わってきます。

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