ねぇパパ、なんで物の値段が上がるの?親子で学ぶ、インフレとデフレ(第4回)

子育てと家族

こんにちは、JINKです。

「親子で学ぶ経済シリーズ」も、今回で第4回!

テーマは、ニュースやSNSでもよく聞く「インフレ」と「デフレ」です。

でもこれ、なんとなく知っているようで、実は説明するのってむずかしい…。

そこで今回は、子どもにも話せるくらいシンプルに、でもしっかり深く、この2つのしくみを学んでいきましょう!


ねぇパパ、最近なんでも高くなってない?

ある日、買い物から帰ってきたママがつぶやきました。

「パンも卵も、前より高くなってる気がするね」

それを聞いた子どもがふと、

「ねぇパパ、なんで物の値段って上がるの?」

――おぉ、これは経済の根っこにかかわる、とっても大事な質問!

今日はそんな「値段の上がり下がり」のしくみを、家族で一緒に考えてみましょう。


インフレってなに?

「インフレ」は、正式には「インフレーション」といいます。
意味はかんたんに言うと、

モノやサービスの値段(物価)が、全体的に上がっていくこと。

たとえば:

  • 100円だったジュースが、120円に
  • 月5,000円だった電気代が、7,000円に
  • スーパーのレタスが1玉150円 → 220円に

こういうふうに、いつのまにかいろんなものの値段が上がっている状態。それがインフレです。

お金の量は変わらないのに、物の値段だけが上がると、実質的にお金の価値が下がることになります。


デフレってどういうこと?

「デフレ(デフレーション)」は、その反対。

物価が全体的に下がっていくことを意味します。

たとえば:

  • コンビニ弁当が500円から450円に
  • 洋服や電化製品が毎年少しずつ安くなる
  • サービス業の価格競争で値下げが続く

「安くなるならいいじゃん」と思うかもしれません。
でも、企業の売上が下がって、給料も上がらなくなる。

結果として、「お金を使う気がしない→モノが売れない→さらに景気が悪くなる」という**悪循環(デフレスパイラル)**につながる危険性があるんです。


インフレとデフレのいい点・わるい点

それぞれの「メリット」と「デメリット」を見てみましょう。

項目インフレデフレ
物価上がる下がる
お金の価値下がる(買える量が減る)上がる(同じお金でたくさん買える)
給料上がることもある上がりにくくなる
企業の利益増えやすい減りやすい
家計への影響支出が増えて苦しくなることも一見得だけど、収入も減りがち

インフレにも“タイプ”があるって知ってた?

実は、インフレにはいくつかの原因があり、大きくわけて2つのタイプがあります。

① 需要が増えて起きるインフレ(ディマンドプル型)

たとえば:

  • ボーナスが増えて、みんながたくさん買い物をする
  • 新製品が大ヒットして、売れすぎて在庫が足りなくなる

モノの数は同じでも、買いたい人が増えれば値段は上がる
これが「需要(じゅよう)増加型インフレ」と呼ばれるものです。


② コストが上がって起きるインフレ(コストプッシュ型)

こちらは、生産側の事情で起こるインフレ。

たとえば:

  • 原材料の価格が上がる(小麦・ガソリンなど)
  • 海外からの輸入品が円安で高くなる
  • 人件費や電気代が増える

こうなると、お店は商品を高く売らないとやっていけないので、自然と物価が上がります。


最近の日本は、どちらかというとこの「コストプッシュ型インフレ」が中心。
みんなの給料が上がっていないのに、物だけ高くなっているのはこのためです。


じゃあ、最近値上がりしてるものって?

実際、私たちの生活にどう影響してるのか。最近の例を見てみましょう。

  • パン → 小麦の価格上昇(輸入コスト↑)
  • 卵 → 鳥インフルなどで供給が減った
  • 牛乳 → 牧草やエサの価格上昇
  • カップ麺 → 内容量をこっそり減らす「ステルス値上げ」

このように、ニュースで取り上げられるような国際的な事情や、天候・感染症の影響などが、身近な商品の価格に大きく関係しています。


でも、あまり上がってないものもある?

たとえば:

  • ペットボトル飲料
  • 一部のファストフードメニュー

これらは競争が激しい分野なので、企業側も価格を維持しようと努力しています。

ただし、「コンビニのおにぎり」のように、一見あまり変わっていないようで、実は少しずつ値上がっている商品もあります。

たとえば人気のツナマヨも、110円 → 130円 → 140円台と、じわじわと価格が上がってきました。
その背景には、具材・お米・人件費・包装資材のコスト増があるのです。


世界と日本のインフレ事情

ここ数年、世界中でインフレが進んでいます。
その主な理由は:

  • ウクライナ情勢によるエネルギー供給の混乱
  • コロナ禍後の急激な需要回復
  • 円安による輸入コストの上昇

日本は長年、物価がほとんど変わらない「デフレ傾向」でしたが、
ここ最近は少しずつ「インフレ体質」に変わってきました。

でも問題は、給料(収入)がそれに追いついていないこと。

「生活費だけが上がっていく…」
そんな実感を持っている家庭も多いのではないでしょうか。


親子で話してみよう!

お子さんと一緒に、こんな会話をしてみるのはいかがでしょう?

  • この商品、前はいくらだったと思う?
  • なんで値段が上がったのかな?
  • スーパーで安くなってるものはある?

また、「インフレが進むと家計はどうなる?」とか、
「もしデフレが続いたら?」など、
“もしも”のシミュレーションも立派な経済教育になります。


まとめ

  • インフレ=物価が上がる、お金の価値が下がる
  • デフレ=物価が下がる、企業や家計に影響する
  • インフレには「需要型」「コスト型」の2種類がある
  • 日本は今、コスト型インフレの傾向が強い
  • 家族で「お金の動き」を感じることが、経済を学ぶ第一歩!

次回予告(第5回)

お金を借りると、なぜ「利息」がつくの?
銀行に預けると「利子」がもらえるのはなぜ?

次回は、「金利ってなに?」をテーマに、
お金の流れと“時間の価値”についてやさしく解説します!

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