こんにちは、JINKです。
「親子で学ぶ経済シリーズ」も第12回。
いよいよシリーズも後半の大切なテーマに入りました!
今回は、ニュースでよく聞く「景気」について、親子でいっしょに考えてみましょう。
🌞 景気ってなに?
ある日、娘がこんなことを言いました。
「最近、ママがお給料あがったって言ってた!景気がいいの?」
おおっ、なかなか鋭い質問です。
**景気(けいき)**とは、かんたんに言えば「経済の元気度」。
買い物やお仕事、お給料、暮らし全体が元気かどうかを表す言葉です。
- みんなが買い物をする → お店がもうかる → 会社がもうかる → 給料があがる
- 給料があがる → もっと買い物できる → お店がまたもうかる!
こうして良い流れが回っている時が「景気がいい」状態。
逆に、
- お金がない → 買い物できない → お店がもうからない → 給料が下がる・人が減る
- ますますお金が使えない…
という悪い流れになると、「不景気(ふけいき)」という状態になります。
📈 景気には波がある
「ずっと景気がいいままじゃダメなの?」と思うかもしれませんが、実は景気は波のように上がったり下がったりをくり返すのがふつうなんです。
この波には次のような名前があります。
景気の波の名前 | 意味 | 子ども向けイメージ |
---|---|---|
好況(こうきょう) | 景気がよく、みんな元気な時期 | パパやママもニコニコ、お買い物も増えるかも! |
後退(こうたい) | 少しずつ景気が悪くなってくる | ちょっとお財布のひもが固くなるかな? |
不況(ふきょう) | 景気が悪く、仕事や売上が落ち込む | パパやママの顔も曇るかも…お買い物もがまんの時期 |
回復(かいふく) | また元気を取り戻し始める時期 | 少しずつ笑顔がふえて、未来が明るくなる感じ! |
このようなサイクルを「景気循環(けいきじゅんかん)」と呼びます。
🔍 どうして景気は変わるの?
たとえば…
- 世界中に広がる病気(パンデミック)
- 戦争や自然災害
- ガソリンや食べ物の値段が上がること
- 海外の景気が悪くなって輸出が減る
など、さまざまな原因で景気は変動します。
また、**「お金を使いたい」「会社を大きくしたい」という気持ち(需要や投資意欲)**が弱まると、
みんなの経済活動(買い物や会社を大きくすること)が止まってしまって、景気が悪くなるんだ。
「みんなの気持ちや行動が、景気を動かす大きな力になるんだよ」
これは子どもに伝えたい、すごく大事な視点です。
🧠 パパママ向け:景気の主な原因
用語 | 内容 |
---|---|
需要(じゅよう) | モノやサービスを「買いたい」という動き |
供給(きょうきゅう) | モノやサービスを「提供する」という動き |
金融政策 | 日本銀行が金利や通貨量を調整し、経済をコントロールする |
財政政策 | 政府が公共事業や税制を通じて景気に介入する |
子どもにはまだ難しい言葉かもしれませんが、**「社会には、こういう力があるんだ」**という意識づけになります。
🍩 たとえ話でイメージしよう!
景気=ドーナツ屋さんの売れ行きで考えてみましょう。
🎯 景気がいいとき:
近所のドーナツ屋さん、いつも行列!
みんなが買いに来る → 店はもうかる → 店員をふやす → 材料もたくさん買う → 材料屋さんももうかる!
まさに良い循環が回っています。
😨 景気が悪いとき:
最近は節約モードで、売れ残りが増えた…
店はもうからない → 店員をへらす → 材料も買わない → 材料屋さんも困る → さらに元気がなくなる…
こうして悪い連鎖が生まれるんですね。
🧯 景気を支えるしくみ
もし景気が悪くなっても放っておいたら、どんどん悪くなってしまうから、
そこで動くのが、**政府と日本銀行(日銀)**です。
✅ 政府の対策(財政政策)
- 公共事業(道路、橋、学校など)で仕事を増やす
- 税金を一時的に減らす
- 子育て給付金や助成金を出す
✅ 日本銀行の対策(金融政策)
- 金利を下げる(=お金を借りやすく)
- 市場にお金を流す(=通貨量をふやす)
これらの政策で、お金の流れを良くして、景気を元気にするのです。
🏠 景気は生活とどう関わる?
景気は、私たちの暮らしにこんな影響を与えます。
- 就職しやすい/しにくい
- 給料が上がる/下がる
- 物価が安定する/不安定になる
- おもちゃやゲームが買いやすくなる/買いにくくなる
つまり、景気は「家計のお天気」みたいな存在なんです。
👧 子どもに伝えるとしたら?
「景気ってね、みんなが元気に買い物して、働いて、お金が回る状態のことなんだよ。」
「そして、景気の波は、みんなの行動や社会のニュースが大きく影響するんだ。」
「でも、病気とか戦争とかで元気がなくなると、みんなの動きも止まっちゃうんだ。」
「そんなとき、国や銀行が応援してくれる仕組みがあるんだよ。」
「景気ってお天気みたいに変わるけど、みんなで工夫すれば、また晴れの日が来るんだよ!」
📚 まとめ
- 景気は経済の「元気さ」を表す
- 景気は「波」のように変化する(景気循環)
- みんなの気持ちや行動が景気に大きく影響する
- 不景気の時には、国や銀行が対策する
- 景気は、家計や生活、子どもの未来にも深く関係する
景気の「波」の仕組みを知って、変化に気づき、準備して、工夫して乗りこえる力を、親子で少しずつ身につけていきましょう。
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